災難は他人に起こるものと思っている
昨日は、夜行バスで帰ってきたら
バスターミナルのほとりの川が氾濫し、
通行止めの為、バスの中に20時間以上
閉じ込められてしまいました。
サンパウロでは前日の晩から
1995年以来の大雨に見回り、
町中が混乱したようです。
街を取り巻く川が至るところで反乱し、
1000カ所以上の浸水にあったということでした。
クリチーバを出発する前には
こんな被害にあうとは
夢にも思っていませんでした。
以下の話を思い出さずにおれません。
(83)宝クジは自分に当たり
災難は他人に起こるものと思っている昔、茗荷というものは、忘れ薬になると聞いていた宿屋の夫婦がいた。
ある時、金持ちらしい客が、大きなカバンを持って投宿した。
欲深い宿屋の夫婦は、何とかあのカバンを忘れてゆかせようと、食事を茗荷の料理ずくめにすることに一決する。
茗荷の吸い物、茗荷の煮物、茗荷のあえもの、茗荷のひたしものを御膳にすえて弁明した。
「お客さま、田舎のことで何も仕様がございません。裏の畑の茗荷で少々作ってまいりました。どうぞ、召し上がってくださいませ」
「ああさようか。ワシは茗荷が大好物でなあ。これはこれは、ご馳走さまじゃ」
夫婦は寝物語に、明日の朝食も茗荷ばかり出せば、あのカバンは間違いなく忘れて帰るぞ。おまえには着物を買ってやる、オレは上等の洋服にしようか、などと胸ふくらませて就寝した。
翌朝、
「お客さま、まことにお粗末でしたがお好きとおっしゃいましたので、今朝もまた茗荷を出させて頂きました」。
「おお、それはけっこう、けっこう。ああ、なるほどこの味噌汁は茗荷、これは茗荷の煮もの、これは茗荷の焼き物、みんなおいしい、おいしい」
やがて上機嫌で客は出てゆく。
「オイ、早くあの客のいた座敷を探せ! 何か忘れてあるはずだ。ドレドレ押し入れの中かなあ。ナニ、戸棚の中かな、待てよ便所かな、机の下にもないが、畳をまくって見よ。ハテナどうしたのだろう、なんにも忘れてないぞ。おかしいなぁ」
と思案していると、大声上げて妻が飛んできた。
「あんた大変よ。宿賃もらうの忘れたよ」
年末ジャンボ宝クジを買ったサラリーマン夫婦が盛んに論じている。
「一億円当たったらどうする」
「二人でもらいに行きましょうよ」
「強盗に狙われるかもしれないぞ」
「すぐに郵便局へ預金しましょう」
「おまえは、何に使うつもりだ」
「大きなマイホームが欲しいのよ。そして娘に近所にない、ピアノを買ってやりたいの」
「じゃオレは、高級車を買おうか」
「その車でどこか遠くへ、ドライブに行きましょうよ」
そこへやってきた娘が笑った。
「当たりもせんのに、なに言っているのよ。タヌキの皮算用じゃないの」
災いは他人に、幸せは自分に来るものと、みな思っている。『光に向かって123のこころのタネ』より
気を付けて、活動したいと思います。